◆鱧の漢字の由来 鱧の漢字の由来は、旁(つくり)の「豊」から、「生命力が強い(豊か)」とか「卵を相当多く抱く」「料理方法が数多く(豊かに)ある」「美味しく心が豊かになる」「栄養が豊か」など諸説あります。 しかし、鱧は 鰯 のように日本で作られた国字ではないことと中国で鱧と書く別の魚(ライギョ)を指すことから、これらの諸説は誰かが後で考えたものと言えます。 鱧は、訓読みで「はも」、音読みで「ライ(呉音)」「レイ(漢音)」になります。中国では鱧と表記すると「ライギョ」のことで、中国でハモは海鰻(ハイマン)と表記します。日本でライギョは「雷魚」と表記します。このことから、ハモに「鱧」という字を当てたのは日本で誰かが考えたもの(国訓)と言えます。 ◆京都と鱧 鱧は高級食材として扱われており、特に京都では祇園祭(7月)に食べる風習があり、夏の味覚の代表的なものとなっています。 京都においてなぜハモを食べる文化が発達したかについては、諸説ありますが、京都まで生きたまま輸送できる生命力の強い魚だったからと言われています。 鱧の旬は7月と10月になります。梅雨の水を飲んで育った夏鱧(7月)、産卵を終えて食欲が増し脂がのった金ハモ、松茸ハモ、名残ハモなどとよばれる秋鱧(10月)があります。 ◆ハモのおろし方 ハモは、小骨が魚体全体にあるため「骨切り」をしないと食べられません。京都では、包丁を使う上で「最高の技量を要する」と言われるのがハモの骨切りです。ハモのおろす順番は、内蔵処理、ハモを開く、ヒレを取る、骨切りの順になります。 ◆鱧料理 湯引きが代表的な食べ方になります。湯引きは骨切りをしたハモを熱湯に通すと反り返って白い花のように開きます。これを湯引き鱧または牡丹鱧といい、そのまま梅肉やからし酢味噌を添えて食べます。 生きた鱧を捌かないと湯引きがきれいに開きませんので、骨切り後12時間以内が目安になります。 この他、鱧は、吸い物、土瓶蒸し、寿司、天ぷら、蒲焼などさまざまな料理に用いられます。 ハモ> |