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魚へんの漢字一覧表・魚へんの読み方・漢字の由来 さかな.jp


 魚の名前を一字であらわす魚へんの漢字の多くは、中国の漢字ではなく、日本で作り出した「国字(会意)」と言われるものです。会意とは、漢字の造字法のひとつで、既存の文字を組み合わせて、意味と意味をあわせたものになります。
 音読み(おんよみ)とは、日本に伝来して国語化した漢字の発音のことです。その音の伝来した時代の新古やもとになる中国語の方言の違いなどにより呉音漢音、唐音などがあります。例えば「行」は、呉音で「ぎょう」、漢音で「こう」、唐音で「あん」になります。熟語に諸行(しょぎょう)、行為(こうい)、行灯(あんどん)があります。
 一方、訓読み(くんよみ)とは、漢字を音読みするのではなく、漢字の意味が同じまたは似たものですでにある日本語の固有語(和語)で読む読み方です。特に、漢字が本来表す中国語の意味ではなく日本独自の訓読みするものを「国訓」と言います。たとえば、「鰤」は中国語(音読み)では「シ」で老魚のことですが、国訓では「ぶり」になります。



【キュウリウオ目】

あゆ
【鮎:あゆ】キュウリウオ目アユ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鮎」は、中国では「占」の意味に「ねばつく」があり、体表がねばついた魚の「ナマズ」のこと。日本では「神功皇后が占いに釣りをしたところ釣れた魚がアユであった(占い魚)」から、魚へんに占の鮎を「あゆ」と読む(国訓)。別な説として「アユは縄張りを独占する(占める)」もある。

【スズキ目】

すずき
【鱸:すずき】スズキ目スズキ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鱸」は、中国語でも日本語でも同じ「スズキ」のこと。旁(つくり)の「盧」は、訓読みが「つぼ」「くろい」で、スズキの「鱗の黒さ」から魚へんに盧をあてた説がある。訓読みが「すずき」、音読みが「ル(呉音)、ロ(漢音)」。

あじ
【鯵:あじ】スズキ目アジ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鯵」は、中国では「なまぐさい」こと。日本では「おいしくて参ってしまう」とか「参月が旬だから」とか「アジが群れをなすところからあつまる(参集する)」から、魚へんに参の鯵を「あじ」と読む(国訓)。訓読みが「あじ」、音読みが「ソウ(呉音・漢音)」。

ぶり
【鰤:ぶり】スズキ目アジ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鰤」は、中国では「魚の名。老魚」のこと。日本では「ブリは師走(12月)が旬」から、魚へんに師の鰤を「ぶり」と読む(国訓)。訓読みが「ぶり、はまち、かます」、音読みが「シ(呉音・漢音)」。

たい
【鯛:たい】スズキ目タイ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鯛」は、中国語でも日本語でも同じ「タイ」のこと。魚へんに周の鯛を「たい」と読む。日本では、旁(つくり)の「周」にかけて「全国の周囲どの海でも周年とれる」からと言われている。訓読みが「たい」、音読みが「チョウ(呉音・漢音)」。

さば
【鯖:さば】スズキ目・サバ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鯖」は、中国では「青魚(鱒に似た淡水魚の一種)、寄せ鍋(魚・鳥獣の肉などを混ぜて煮た料理)」のこと。日本では「サバは青い」から、魚へんに青の鯖を「さば」と読む(国訓)。訓読みが「さば」、音読みが「ショウ(呉音)、セイ(漢音)」。

かつお
【鰹:かつお】スズキ目・サバ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鰹」は、中国では「鰻の一種」のこと。日本では「保存食として素干にしたり、鰹節になるので堅い魚」から、魚へんに堅の鰹を「かつお」と読む(国訓)。訓読みが「かつお」、音読みが「ケン(呉音・漢音)」。

まぐろ
【鮪:まぐろ】スズキ目サバ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鮪」は、中国では「魚の名。蝶鮫の類」のこと。日本では「マグロは広い範囲を囲むように回遊すること」から、魚へんに有(広い範囲を囲むという意味)の鮪を「まぐろ」と読む(国訓)。「マグロは魚の中の魚でここに魚有り」という説もある。訓読みが「まぐろ」、音読みが「イ(呉音・漢音)」。

さわら
【鰆:さわら】スズキ目サバ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鰆」は、中国では「海魚の名」のこと。日本では「春が旬だから」とか「春に産卵のために沿岸へ寄るから」から、魚へんに春の鰆を「さわら」と読む(国訓)。訓読みが「さわら」、音読みが「シュン(呉音・漢音)」。

きす
【鱚:きす】スズキ目キス科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鱚」は、日本で作られた国字。喜は「キスのキの音を表すこと」から、魚へんに喜を旁(つくり)にあてた。訓読みが「きす」、音読みが国字なので無し。

はたはた
【鰰:はたはた】スズキ目ハタハタ科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鰰」は、日本で作られた国字。ハタハタは「雷のよく鳴る季節に産卵のため沿岸に押し寄せること」から魚へんに神(雷の意味)を旁(つくり)にあてた。訓読みが「はたはた」、音読みが国字なので無し。

ごり
【鮴:ごり】スズキ目ハゼ科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鮴」は、日本で作られた国字。ゴリは「川底の岩や小石の下にひっそりと休むよう(隠れるよう)に生息していること」から魚へんに休を旁(つくり)にあてた。訓読みが「ごり、めばる、まて、こち」、音読みが国字なので無し。

【サケ目】

さけ
【鮭:さけ】サケ目サケ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鮭」は、中国では「(黄河に棲む)ふぐ」のこと。日本では「サケ(シャケ)は形が良いこと」から、魚へんに圭(三角形にとがった、形が良いという意味)の鮭を「さけ」と読む(国訓)。訓読みが「さけ、しゃけ、ふぐ」、音読みが「ケ、ゲ(呉音)、カイ、ケイ(漢音)」。

ます
【鱒:ます】サケ目サケ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鱒」は、中国語でも日本語でも同じ「マス」のこと。魚へんに尊の鱒を「ます」と読む。旁(つくり)の「尊」は、「細長い酒壺の形をした」「かっこうがよい」を表している。訓読みが「ます」、音読みが「ゾン(呉音)、ソン(漢音)」。

【ボラ目】

ぼら
【鯔:ぼら】ボラ目ボラ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鯔」は、中国語でも日本語でも同じ「ボラ」のこと。訓読みが「ぼら、いな、とど」、音読みで「シ(呉音・漢音)」。「いなせ」は「鯔背」、「とどのつまり」は「鯔の詰まり」と書くことがある。

【ニシン目】

にしん
【鯡:にしん】ニシン目ニシン科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鰊」は、中国では「小魚の名」のことで、訓読みが「にしん」、音読みが「レン」。「鯡」は、中国では「はららご。魚の卵」のこと。日本では「土着の人にとってニシンが魚に非(アラ)ず米なり」から、魚へんに非の鯡を「にしん」と読む(国訓)。訓読みが「にしん、はららご」、音読みが「ヒ」。

いわし
【鰯:いわし】ニシン目ニシン科/カタクチイワシ科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鰯」は、日本で作られた国字。イワシは「他の魚の餌になる」とか「水揚げ後の傷みも早いこと」から魚へんに弱を旁(つくり)にあてた。訓読みが「いわし」、音読みが国字なので無し。

このしろ
【鮗:このしろ】ニシン目ニシン科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鮗」は、日本で作られた国字。コノシロは「冬が旬の魚」から魚へんに冬を旁(つくり)にあてた。訓読みが「このしろ」、音読みが国字なので無し。

かずのこ
【鯑:かずのこ】数の子 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鯑」は、日本で作られた国字。カズノコは「ニシンの小さな卵の集まり」から魚へんに希(細かい)を旁(つくり)にあてた。訓読みが「かずのこ」、音読みが国字なので無し。

【タラ目】

たら
【鱈:たら】タラ目タラ科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鱈」は、日本で作られた国字。タラは「初雪のあとに獲れる」とか「身が雪のように白い魚」から魚へんに雪を旁(つくり)にあてた。訓読みが「たら」、音読みが「セツ(慣用音)」。国字なのに音読みがあるのは逆輸出され現代中国でも用いられている。

【フグ目】

ふぐ・あわび
【鰒:ふぐ】フグ目フグ科 ⇒詳細  【あわび】⇒詳細
漢字の由来:「鰒」は、中国語でも日本語でも同じ「アワビ」のこと。訓読みが「あわび、ふぐ」、音読みで「ブク(呉音)、フク(漢音)」。日本では「あわび」の他に鰒を「ふぐ」とも読む(国訓)。

【アンコウ目】

あんこう
【鱇:あんこう】アンコウ目アンコウ科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鱇」は、日本で作られた国字。康は「アンコウのコウの音を表すこと」から、魚へんに康を旁(つくり)にあてた。「あんこう」は「鱇」とか「鮟鱇」と書かれる。「鮟」は、訓読みが「なまず」、音読みで「アン(呉音・漢音)」。

【ウナギ目】

うなぎ
【鰻:うなぎ】ウナギ目ウナギ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鰻」は、中国語でも日本語でも同じ「ウナギ」のこと。ウナギは「長いこと」から魚へんに曼(長い)を旁(つくり)にあてた。訓読みが「うなぎ」、音読みで「マン、モン(呉音)、バン(漢音)」。

はも
【鱧:はも】ウナギ目ハモ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鱧」は、中国では「ライギョ、やつめうなぎ」のこと。日本では「ハモは生命力が強い(豊か)」とか「卵を相当多く抱く」「美味しく心が豊かになる」「栄養が豊か」などから、魚へんに豊の鱧を「はも」と読む(国訓)。訓読みが「はも」、音読みが「ライ(呉音)、レイ(漢音)」。

【カレイ目】

かれい
【鰈:かれい】カレイ目カレイ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鰈」は、中国語でも日本語でも同じ「カレイ」のこと。カレイは「薄くて平たいこと」から魚へんに葉を旁(つくり)にあてた。訓読みが「かれい」、音読みで「ジョウ、トウ(呉音)、チョウ、トウ(漢音)」。

ひらめ
【鮃:ひらめ】カレイ目ヒラメ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鮃」は、中国語でも日本語でも同じ「ヒラメ」のこと。ヒラメは「ひらたいこと」から魚へんに平を旁(つくり)にあてた。訓読みが「ひらめ」、音読みで「ビョウ(呉音)、ヘイ(漢音)」。

【カサゴ目】

こち
【鯒:こち】カサゴ目コチ科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鯒」は、日本で作られた国字。コチは「餌の小魚や甲殻類が近づくと捕食するために跳踊(はねあがる)」から魚へんに踊(おど-る)の旁(つくり)の「甬」をあてたという説。訓読みが「こち」、音読みが国字なので無し。

かじか
【鰍:かじか】カサゴ目カジカ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鰍」は、中国では「どじょう」のこと。日本では「カジカは秋が旬」から、魚へんに秋の鰍を「かじか」と読む(国訓)。訓読みが「かじか、いなだ、どじょう」、音読みが「シュ(呉音)、シュウ(漢音)」。

【コイ目】

こい
【鯉:こい】コイ目コイ科 ⇒詳細
漢字の由来:魚へんに里の「鯉」は、中国語でも日本語でも同じ「コイ」のこと。訓読みが「こい」、音読みで「リ(呉音・漢音)」。日本では、旁(つくり)の「里」にかけて「鯉には36枚の鱗があり、36町が1里に相当する」からと言う説。

ふな
【鮒:ふな】コイ目コイ科コイ亜科フナ属 ⇒詳細
漢字の由来:魚へんに付の「鮒」は、中国語でも日本語でも同じ「フナ」のこと。訓読みが「ふな」、音読みで「ブ(呉音)、フ(漢音)」。旁(つくり)の「付」は、「フナは何匹も連れ立って泳ぐ」からあてた説。

はや
【鮠:はや】コイ目コイ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鮠」は、中国では「魚の名。ナマズの一種」のこと。日本では「ハヤは泳ぐのが速い」から、魚へんに危(速いという意味)の鮠を「はや」と読む(国訓)。訓読みが「はや、はえ」、音読みが「ゲ(呉音)、ガイ(漢音)」。

どじょう
【鰌:どじょう】コイ目ドジョウ科 ⇒詳細
漢字の由来:魚へんに酋の「鰌」は、中国語でも日本語でも同じ「ドジョウ」のこと。訓読みが「どじょう」、音読みで「ジュ(呉音)、シュウ、シウ(漢音)」。旁(つくり)の「酋(シウ)」は、ドジョウの鳴き声の擬声語「シウ」をあてた説。

【ナマズ目】

なまず
【鯰:なまず】ナマズ目ナマズ科 ⇒詳細
漢字の由来:「鯰」は、日本で作られた国字と言われていた。ナマズは「体がぬるぬると粘る」から魚へんに念(ねばるの意味)を旁(つくり)にあてた。しかし、最近の研究で「鯰」は、日本の文献(倭名抄)が中国の文献(食経)を引いているので国字でないことが判明している。

【サメ目】

ふか
【鱶:ふか】 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鱶」は、中国では「ひもの」のこと。日本では「フカは栄養がある」から、魚へんに養の鱶を「ふか」と読む(国訓)。訓読みが「ふか、ひもの」、音読みが「ソウ(呉音)、ショウ(漢音)」。

【節足動物:甲殻類】

えび
【鰕:えび】十脚目(エビ目) ⇒詳細
漢字の由来:「鰕」は、中国語でも日本語でも同じ「エビ」のこと。訓読みが「えび」、音読みが「ゲ(呉音)、カ(漢音)」。

【軟体動物】

たこ
【鮹:たこ】軟体動物門頭足綱八腕形上目タコ目 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鮹」は、中国では「馬の鞭の形の淡水魚」のこと。日本では「タコは細く長い足を持つ」から魚へんに肖(削って小さくすると細く長くなる意味)の鮹を「たこ」と読む(国訓)。訓読みが「たこ」、音読みが「ショウ(呉音)、ショウ、ソウ(漢音)」。

【軟体動物:貝類】

あさり
【鯏:あさり】マルスダレガイ目 マルスダレガイ科 ⇒詳細
漢字の由来(国字):「鯏」は、日本で作られた国字。アサリは「砂の中に潜っている」から魚へんに利(土を掘り起こす意味)を旁(つくり)にあてた。訓読みが「あさり、うぐい」、音読みが国字なので無し。

あわび
【鮑:あわび】原始腹足目ミミガイ科 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鮑」は、中国では「塩漬けの魚(くさやのような食品)」のこと。日本では魚へんに包(つつむ)の鮑を「あわび」と読む(国訓)。訓読みが「あわび」、音読みで「ビョウ(呉音)、ホウ(漢音)」。逆輸出され現代中国でも鮑を「あわび(俗)」として用いる。

【クジラ類】

くじら
【鯨:くじら】クジラ類クジラ目 ⇒詳細
漢字の由来:魚へんに京の「鯨」は、中国語でも日本語でも同じ「クジラ」のこと。訓読みが「くじら」、音読みで「ギョウ(呉音)、ケイ(漢音)」。旁(つくり)の「京」は、「大きい、強い」こと。

いるか
【鯆:いるか】クジラ類ハクジラ亜目 ⇒詳細
漢字の由来:「鯆」は、中国語でも日本語でも同じ「イルカ」のこと。訓読みが「いるか」、音読みで「フ(呉音)、ホ(漢音)」。

【その他】

すし
【鮨:すし】 ⇒詳細
漢字の由来(国訓):「鮨」は、中国では「魚の塩辛」のこと。日本では「スシは旨い(うまい)」から、魚へんに旨の鮨を「すし」と読む(国訓)。訓読みが「すし」、音読みが「ギ(呉音)、キ(漢音)」。

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